アナタだけのお姫様
 
 ――そんな話をしている内に出勤時間になったので、タイムカードを切ってホールに出る。



 なんでこの店はこんなに繁盛してるのか正直分かんない。


 もちろんご飯は美味しいけど、山下さんやシェフが作った方が何百倍も美味しいし……。


「あんた一流のもん食ってるからでしょ! 舌が肥えてんの」


 って理沙に言われたけど分かんないわそんなん。



 小さい頃からそういう環境で育ってきてるもん。

 
「二階堂ちゃん。ホールも落ち着いてきたし、また作業お願いね」


「……はい」



< 89 / 525 >

この作品をシェア

pagetop