アナタだけのお姫様
――そんな話をしている内に出勤時間になったので、タイムカードを切ってホールに出る。
なんでこの店はこんなに繁盛してるのか正直分かんない。
もちろんご飯は美味しいけど、山下さんやシェフが作った方が何百倍も美味しいし……。
「あんた一流のもん食ってるからでしょ! 舌が肥えてんの」
って理沙に言われたけど分かんないわそんなん。
小さい頃からそういう環境で育ってきてるもん。
「二階堂ちゃん。ホールも落ち着いてきたし、また作業お願いね」
「……はい」