霊務
【初仕事ー4】


ここで、オッサン独自の説教が始まる。








「いいかね。
恐怖エネルギーなんて
簡単に貯まるもんじゃ
ない。
今のキミは、写真に写るだけの能力しかないが、
それをコツコツ繰り返さなければならない。
そうだな~数十回は繰り返さないと昇級は難しいかな?
だいたい、クドクドクドーーー…」








要点だけ掴めば、
あとの話など礼子は
聞いていなかった。







「そっか。
要は、人間が怖いって
思えば、数回で済むんだね!」









礼子はそう言うものの、世の中そんなに甘くはない。








心霊写真程度で恐怖エネルギーなど、
そうそう出せるものではなかった。









それを、オッサンは
分かっていて
説教しているのだ。







「数回でなんて無理だよ無理。
限度ってものを
知らないねキミは」






「そっかな?
試してみよ!!」







オッサンは分かっていた


学校に潜む、お偉いさん達の能力ならば
恐怖エネルギーを貯めるのは容易いが
(姿も見えるし、音も
出せるから)

新人の霊の能力など、
姿も見えず写真に写るだけしかできないので、
どうあがいても、数回で昇級できることは不可能であることが分かっていた
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