霊務
【死んじゃった!ー5】


「え?死んだって私が?
そうなんだ~
それで、私は天国に行けるの?」








オッサンがポカンと礼子を眺めている。






「キ、キミ理解が早いね……
普通認めない人がほとんどだけど、
こうもアッサリだと…」








何から何まで、
今までオッサンの対応してきた霊とは礼子は違うようである。







「それで、私は天国?」







「天国しか言わないね
キミ……
その自信はどこから出てくるのか…
キミは天国には行けないよ」







「そっか。
じゃあ地獄ね!!」







礼子はショックを受けるわけでもなく、元気いっぱいに答えた。







「ちょ、チョット待って!
キミは地獄にも行けないよ!
とゆうか、なんでそんなに元気よく地獄に行こうと言うのか…」








礼子は頭がハテナになりながら、
手をそのホッペに当てた







「え~~
じゃあ私はなんですぅ?」







オッサンは
メガネをクイクイさせながら
呼吸を整えた。








「とゆうか、初めから天国や地獄なんて存在しないのだよ。
それは、人間が勝手に考えた空想でしかない」
< 5 / 264 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop