霊務
【死んじゃった!ー6】


この霊の世界は天国はない。

もちろん地獄もない。







じゃあ、何がある?







何があるって言うのーーー!!!!









「おーいキミ。
ちゃんと聞いてるかい?」







呆然としてた礼子は、
何故か突然手を叩き始めた。









「てーんごく!!
てーんごく!!
てーんごく!!
てーんごく!!」








「い、いやいやそんな
こと言っても天国はないからキミ!
そんなアンコールみたいな言い方されても!」








「じゃあ、何があるってのよ!」







礼子は、プンプンしながら質問してきた。
喜怒哀楽が激しそうなタイプである。








「キ、キミは今から選択するんだよ。
また生き返りたければ左のドアに、
霊になりたければ右のドアに入ればいいよ」








「私が勝手に決められるの、それ?
その人の行いとか関係ないの?」








礼子の質問に、オッサンは首を振った。







「いやいや、大丈夫だよ
生き返りたければ、直ぐにでも対応できるよ」








「だって私、転がってる団子虫に瞬間接着剤垂らしたことあるのよ?
あとトンボの尻尾にヒモを付けて、
その先の紙に「礼子号」って名前つけて飛ばしたこともあるのよ?」








オッサンはそれを聞いて、やっと気付いた。







今まで気付かなかった
のが不思議なくらい、
確信を持って気付いた。







あ、この子アホだ
< 6 / 264 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop