霊務
【ヤツらの存在ー10】


戦いに備えるために、
それぞれの役割を決める
ことにした。








「いいかい、
私らの力じゃヤツらは
倒せない…
だけど、この校舎に
侵入することくらいは
防げるかもしれない」







「サキつまんない。
向こうはこっちを
倒せるのに、
こっちは向こうを
倒せないの?」









まだ新人中の新人の
礼子に分かるハズもない

本当の霊の力を









「位が違うのよ。
使える能力も違う」








「じゃあ、
私今日昼間に位を
上げるから、
夜まで待っててね」







サキは
フウっとため息を吐く。









「ありがとね、
気持ちだけで嬉しいよ。
でもね、レベル4の主任のアンタが
一個や二個
位を上げてもどうにも
ならない。
いや、一個や二個でも
位を上げるのでさえ
不可能だ」








霊の世界はそんなに
甘くはない。
…と言いたいところだが









「あ、私レベル6の
係長になったよ」








何をバカな…と礼子の
その言葉を信じようと
しないサキに、
礼子はグッと力を
入れた
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