青い過日
ムチュッと音を立てて離れると、遼は悪戯っぽく笑った。


「ゆい、美味しい♪
またなっ。」


そう言うと、遼はさっさと帰ってしまった。


はじめてのキスに、頭がぼーっとなっているわたしを残して。


その夜わたしはいつまでも遼のキスの味を、舌の感触を反芻しては、ふわふわとした恋の喜びを噛み締めていた。
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