いつも一緒だよ
 恵理香はココへ来る途中に花屋で買った花束を一緒に置くと、その場に手を合わせた。

「成仏するんだよ涼子」

 ぶるぶる!

 恵理香は何だか怖くなり、急いで帰ろうとした。

 その時、声がした。

「恵理香、こんな所で何してんの!?」

 声がした方に眼をやると、恵子の姿が映った。

「恵子、どうしたのこんな所で!?」

「近くで用事を済ませて帰る所なのォ!」

「じゃー、一緒に帰ろうッ!」

「うーん!」

  恵理香は急いで恵子の元へ向かおうとした。

−行ってはダメよッ!!−

「え?」

 誰かの声が耳に飛び込んで、足が止まった。

「どうしたの恵理香ァ!
 早く来なよォ!」

 恵子が呼んでいる。

−そこにいるのは胡桃(恵子の苗字)さんじゃないの!− 

 美紅の声だ!

 恵理香は無意識に美紅と会話した。

 茅島美紅は変な女の子だと言われるけど…

 本当はイイ人間なのかもしれない。

−じゃあ誰?− 

−国武涼子の霊なのよ!−

−涼子の!?−

 恵子の所へ行くのを止めようとする恵理香。

 だが足が!

 反対に勝手に動き出した!

< 19 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop