師匠はコスプレ☆メイ探偵
広くて明るいエントランスを抜けると、その男とエレベーターまで一緒になることがわかった。
 
エレベーターは一つしかなかったのだ。
 
途中の階に止まっていたエレベーターが下りてくるのを、無言で待っていた。
 
手持ち無沙汰なので、マイ水筒から、水をがぶっとのむ。

やっと一階にたどり着いたエレベータに一緒に乗り込むと、

「何階ですか?」

類は慌てて、師匠からもらった住所の書かれた紙を見た。

部屋は1501と書かれてある。

「十五階です」
 
答えると、彼の貼り付けたようだった笑顔に一点、ぴきりと不快さがよぎった。
 
見ると、彼の手元も十五階のボタンを押しているところだった。

「あら、同じですね」
 
言うと、彼は黙ってしまった。
 
変な人。
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