師匠はコスプレ☆メイ探偵
「何を言ってるんだ。お前、こんなときに」

安西が怒気を含んだ声で言う。

「だいたい今、わしと萌黄くんの仲を疑ったばかりじゃないか。宝石のことを萌黄君だけに言ったからって理由だけで疑って」

「あら、あなたが好きにしているんだから、私だって好きにさせてもらうわよ。若い男の子と遊んでやるんだから」

 いや、それは、若い男の子が迷惑するってモンだ。

 類が思っていると、安西も同じようなことを言った。

「あら、私にはあなたと違ってお金があるわ。ホストクラブにでもナンでも通ってやるんだから。文句があるんなら、萌黄をクビにしてあなたを社長職から解任してやるんだから」

 なるほど、ここの夫婦の力関係が分かる。

 安西はどうやら逆玉に乗ったらしい。

それで、奥さんには頭が上がらないのだ。
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