師匠はコスプレ☆メイ探偵
 他の美しい形の鉱石と一緒に並べられてあるが、それだけは、価値があるものだといっぺんに分かる輝きを持っている。

ケースの中に、なぜかさらに小さなケースに入れられて展示されているので、よほど大事なものだということも分かる。


「そうだ」

「確かに私達が宝石店なんかで目にするルビーよりは比べ物にならないくらい大きいですね。でもテレビに出てくるお金持ちが指にジャラジャラつけてそうな感じ。こんなんで国宝っていうのもどうかと思うなあ」

「それが素人の浅はかさ。これはピジョンブラットと呼ばれる最高級品の色をしている。それに指にじゃらじゃらとは付けられない大きさだ」

「ふううん」


自分だって素人のくせに。

類は、ガラスケースを除きこむのをやめた。


「それで、師匠は、この盗みは繰り返されると思っているわけですね」
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