師匠はコスプレ☆メイ探偵
類とつきあっていると、こんなことはよくあることなのだが、師匠は一ヶ月も類と関わっていながら、まだ、神経を類に馴らされていないらしい。


 その点、ミドリ先輩は、出会ってすぐに、類を理解してくれた。

やっぱり頭のいい人は違う。

 師匠が頭が悪いって言っている訳じゃないけれど。


「今私の身の回りにあるものは、必要最小限のものだけなんです。愛車と、シャツとパンツの替えが一枚づつ。ジーンズはこれ一枚です」

 師匠は疑わしげに類を見た。

「あとは洗濯石鹸かな。毎日シャツとパンツを洗うんです。そおして、シャワーカーテンをつるすところに掛けておくんです」

「女の子の生活とは思えんな」

「いいんです。もう少しの辛抱ですから。そおしたら、あたしの大好きな家具や小物に囲まれた生活を取り戻せる」

「そうか。なら、なるべく早く、そうしたまえ」
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