師匠はコスプレ☆メイ探偵
何となく、外で電話がなってる気がしたが、シャワーを浴びたりしているときは、そんな気がするもんである。

 愛用のウサギさん型スポンジで肩から体を洗い出した。

 と、やっぱり電話が、正確に言うと携帯がなっている気がして、シャワーを止めた。

 電子音が、部屋の方から聞こえてきた。


「やば。ほんとに鳴ってんじゃん」


 しかもこの音は、師匠からの着信だ。

 類は泡だらけのウサギさんを置くと、タオルを巻いて部屋の方に出た。

 まだ、携帯は鳴っていた。

 類は手の雫を丹念にふき取ると、右側の髪を掻き揚げて、通話をオンにした。


「もしもし?」


類の声は明らかに不機嫌だった。
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