師匠はコスプレ☆メイ探偵
「焦げちゃうよ」
類は衣が狐色を通り越している天ぷらを、心配して言った。
トキは、質問を変えることにしたらしい。
「影山探偵って、けっこういいオトコですね。一緒に働いていて、惹かれたりしないんですか?」
類は、露骨に嫌な顔をして見せた。
「冗談じゃない」
「何でです?」
「そりゃ、ぱっと見は惚れてもいいだけの魅力がなきにしもあらずって感じだけど、あのおっさん、付き合ってみたら、先ず惚れようがないようなことをやらかしてくれるんだよ」
「何をです?」
「コスプレだよ、コスプレ。それも、女の人の。あたしはびっくりしたね。派手な帽子をかぶって、無邪気そうな顔をして、銀髪をちらして、おしゃれな格好して」
「誰だったんです?」