師匠はコスプレ☆メイ探偵
あんまり大きな音に設定しているので、類は一瞬縮み上がるほど驚いた。
 
トキは、菜箸を類に渡すとリビングの方へ行って、インターフォンの受話器を取った。


「はい、今開けます」


 トキが言った。
 
類は菜箸でえびを掴むと、どろどろの天ぷら粉をくぐらせて、油に次々に放り込んだ。


「ああっ!!」

 トキに叫ばれて、また縮みあがってしまった。


「何っ?」

「えびは油が汚れるから、最後に揚げようと思っていたんです。」


 あっ、そう。

 そんなことくらいで、いちいち騒がないで欲しい。

 類は黙って菜箸を返した。
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