師匠はコスプレ☆メイ探偵

「まあ、いいでしょう。食べたかったのなら揚げてあげます」


 トキはしぶしぶえびを油の中でひっくり返した。


「あたし、ドア開けてこようっと」


 その前に、綺麗に洗われてあるコップに浄水器を通したアルカリ水をなみなみと入れると、一気に飲み干した。


「じゃ、行ってきま~す」


リビングを出て、ひんやりした大理石張りの玄関に足の裏を触れると、ふいに、トキのさっきの行動が蘇った。
 
トキは、平然と料理なんかしていたが、どういうつもりなんだろう。

 そういえば、師匠は言っていた。

モゴーグ国では、盗まれたものを盗み返すのは、罪にならないと。

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