師匠はコスプレ☆メイ探偵


「で?やめたのか?」

「やめました」


 言って、類は車窓の景色に目をやった。

 何かを見ているわけじゃなく、自分の内なるものを見つめていたのだ。


「今は楽しくしか飲んでません。しかも、久しぶりです」


 師匠は理解できないようだ。

 呆れたように、首を横に振った。

 別に、分かってもらおうなんて思わない。

 類は座席の後ろから近づいてくる物音に、振り返った。


「アイスクリーム、下さい」


 ワゴンを押していた女性が、類に微笑んだ。
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