師匠はコスプレ☆メイ探偵

「全く金持ちっていうのは」


 怒っている師匠の横で、類は二個目のお弁当の包みを開けていた。


「分かっていたことじゃないですか。前のときだって、いらないから帰れって言われたんですから」


 二個めはそぼろ弁当のようだ。

 来た新幹線にほとんど飛び乗るように乗り込んだから、ろくに見ないでお弁当を選んだのだ。

 けれど、じっくり選んだところで同じだ。結局何を食べても美味しいのだから。

 食べることに熱中するあまり、忘れていたビールの気付いて一気に半分ほど飲んだ。


「交通費だけでももらったんだから、よかったじゃないですか」


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