師匠はコスプレ☆メイ探偵
「こんなものそろえるお金があったら、バイト代払ってください」
「あら。そのことでしたらわたくしの代理人を通してくださるかしら。赤毛で気性のはっきりした方ですが、仕事は出来るんですのよ。何でしたら、わたくしの絵でお払いしようかしら」
わかった。
わかる自分が怖かった。
つまり、この変人師匠と、読む本の趣味がだぶってしまっているということだ。
「もしかして、ミス・・・・・・?」
類は小声で、変装している人物の名前を言った。
「イエス」
ニッコリするその、女装が似合ってなくもない顔に、理性が戻っていてもパンチをしたくなった。