師匠はコスプレ☆メイ探偵


「こんなものそろえるお金があったら、バイト代払ってください」

「あら。そのことでしたらわたくしの代理人を通してくださるかしら。赤毛で気性のはっきりした方ですが、仕事は出来るんですのよ。何でしたら、わたくしの絵でお払いしようかしら」

 わかった。

 わかる自分が怖かった。

 つまり、この変人師匠と、読む本の趣味がだぶってしまっているということだ。


「もしかして、ミス・・・・・・?」


類は小声で、変装している人物の名前を言った。

「イエス」

 ニッコリするその、女装が似合ってなくもない顔に、理性が戻っていてもパンチをしたくなった。
< 246 / 357 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop