師匠はコスプレ☆メイ探偵
 類は運ばれてきたカップに、ポットから紅茶を注いだ。


「それだけでいいの?」


 師匠が驚きの目で類の紅茶を眺めていた。


「バカ食いは卒業しようと思って。そろそろやめないと、家系的に太りだす年齢なんです」

 言って、砂糖もミルクもキャンセルして、紅茶をストレートのブラックで飲んだ。

 師匠はそれを不思議なものでも見るみたいに、眺めていた。


「とにかく、待ち合わせる場所と時間を教えてください。言っときますけど、ドレスもメイク道具も持ってないんですから、師匠もちで買ってもらいますよ」


 師匠はコーヒーカップに口をつけたまま固まった。
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