師匠はコスプレ☆メイ探偵
それを肩にかけると、会社仕様だったもの達は、すべて、紙袋の中に放り込んだ。

この紙袋は会場に入る前に、ホテルのフロントに預けよう。

トイレを出ようとして、その出入り口に張り付いている、姿見の鏡をちらりと覗き込んだ。

しなやかな赤い生地がすらりとした身体の上で優美なラインを描いて足首までまとわり付
いている。

うん。

とりあえず、しっくりきてる。

類は一応オッケーを出しただけだったが、誰もが振り返るようなデキだった。
 
ちょっと待って。
 
いつものようにひっ詰めている髪に気付いた。
 
慌てて後ろでねじりあげて、バレッタでとめた。
 
これで、なんとか服に合った髪になっただろう。
 
類は、鏡に頷くと、走り出した。

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