師匠はコスプレ☆メイ探偵
目的地周辺に着くと、師匠は、しばらく助手席に座り込んだまま動かなかった。

類の運転が応えたらしい。

ざまあみろ、だ。

類は路肩に車を止めたまま、師匠が復活するのを待っていた。

「今度から、運転が気に入らないと、自給を下げることにしよう」

しばらく蒼い顔をしていたと思ったら、そう、言い残して、車を降りて行った。

「ええっ、そんなの困ります!」

言っても、すでに足早にどこかへ消えていくところだった。

さっきまで気分が悪かったハズなのに、何て立ち直りの早い。

ま、いいか。

類は車を降りると、助手席の足元のシートを引っぺがして、師匠の足跡を払った。

本当に、くっきりと跡をつけてやがった。

それが終わると、類は後部シートからパンを取り出した。

この仕事のせいで晩御飯が食べられないので、ちょっと栄養補給だ。
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