師匠はコスプレ☆メイ探偵
車の中を汚したくないので、食事は外でする。

愛車のドアにもたれて、パンを割った。

白い生地にピンク色がマーブルちっくに混ざっている苺パンである。

この、苺風味が絶妙なのだ。

類はほくそえむと、パンを口に押し込んで、貪り食い出した。

恐ろしい速さで結構大きなパンをペロリと平らげて、マイ水筒からお茶をがぶ飲みしていると、片手にデブ猫を抱いた師匠が帰ってきた。

「何ですか、その汚いのは」

「ジュリアーノ」

「はい?」

「捜索を依頼された猫だ」

「って、もう見つけたんですか!!」

 師匠は類の愛車の前を通り過ぎた。

「どこ行くんですか!?」

「依頼者の家がこの近くなのだ。届けて謝礼をもらってくる。車で待っててくれ」
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