師匠はコスプレ☆メイ探偵
影は車の中に入ると、革張りのケースを取り出した。

中のルビーを白い手袋の手で取り出して、笑っているような月に、それをかざした。

深い赤。

カットも寸分も変えられていない。

類は鉱石である宝石を、こうして月にかざしてみるのが好きだった。

本当なら永遠に会うことのなかったこの二つのものを、人の手によって、こうして出会わせることが出来る。

それが、何だか神秘的な感じがして、ドキドキするのだ。
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