師匠はコスプレ☆メイ探偵

相手が湯佐だなんて、地獄のようだ。
　
絶えず、その場にいない社員の悪口を言っているようなやつだ。

類がお弁当を食べていた間も、きっと類の悪口を言っていたに違いない。
　
その舌の根も乾かないうちに、今度は口説こうなんて、人をバカにするにもほどがある。
　
だいたい、一度でも食事に行こうもんなら、そのときの様子はしっかり言いふらされ、おまけにひつこく付きまとわれる羽目になるのである。
　
前にいた先輩が、気のいい人で、こいつに付き合ってやったばっかりに、あいつはオレに惚れてる。

あの態度は間違いないだの言われて、非常な迷惑をこうむったのだ。　
　
先輩はここを気に入っていて、ずっとここで働くつもりだったけれど、湯佐のひつこさにまいって、辞めて行った。
　
正確に言うと、よそに引き抜かれていったのだが、湯佐のことが原因で引き抜きに応じる決心をしたに違いないのだ。
　
いい先輩だったのに。