師匠はコスプレ☆メイ探偵
もうさんざんやってるくせに。
 
類は腕を掴んでいる湯佐の手をねじりあげた。

「痛てっ。何するんだ!?」
 
わざとらしく大声を出す湯佐を置き去りに、外へ逃げた。
 
と、携帯がポケットの中で震えた。
 
サブディスプレイを除くと、師匠からの着信だった。
 
類はそれだけ確かめると、通話オフボタンを押して、着信ブルブルを消した。

「成瀬っ」
 
湯佐が出てきて隣の試験室にまで聞こえる声で、怒鳴った。
 
類はそれを無視して、振り返りもせずに、会社を飛び出した。

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