師匠はコスプレ☆メイ探偵

類は、普通の格好をしていると思われる師匠の後姿に、ちょっと安心して、彼らの前に姿をさらした。

「こんにちは。影山の助手の成瀬です」
　
女の人は、驚いたように類を見上げて、そのまま、一気に顔色を高揚させた。
　
類のことを、若いオトコだと勘違いしたらしい。
　
よくあることなので、類にはそれが良く分かるようになっていた。
　
でもまあ、わざわざ否定してやることもない。
　
思って勘違いさせたまま、師匠の隣に座った。

「この方が、依頼者の田口さんだよ」

「何の依頼ですか？」
　
訊いて、師匠を見て、類は固まった。
　
師匠は赤い蝶ネクタイをして、黒ぶちのでっかいめがねを、わざとらしくかけていた。
　
くっ。
　
今度はアニメにまでジャンルを広げたか。