師匠はコスプレ☆メイ探偵
多分、ミドリ先輩もこいつの仕業だということを知っていたんじゃないだろうか。
　
そういえば、それ以前に、湯佐はミドリ先輩をひつこく口説いていたのだが、白衣が消える一件以来、急に手のひらを返した。
　
ミドリ先輩に嫌がらせをするようになったのだ。
　
ということは、今度は類も同じ目に合うってことか。
　
類の滅多に沸かない血が、一気に沸騰した。
　
遊佐に詰め寄って、壁に押し付けると、その、類と同じくらいの位置にある襟首を掴んだ。

「あたしのことが気に入らないのは勝手だけど、白衣は会社のものだ。会社のものをどうこうして仕事に支障をきたすようなら、こっちだって黙ってないからな」
　
言うと、湯佐の顔目掛けて拳骨を振り下ろした。
　
引きつった顔をしていた湯佐がぎゅっと目をつぶる。
　
拳骨は、その頬をかすめて、すぐ横の壁を力一杯殴った。
　
湯佐が、恐る恐る目を開ける。

間近にいる類を、まじまじと見た。
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