師匠はコスプレ☆メイ探偵
麗しの体質
茂ったアイビーが壁に這いついている喫茶店に、類は走り込んだ。
「いらっしゃいませ」
顔見知りのウエイトレスが、ニッコリと笑顔を送ってくる。
あの子、絶対あたしのこと男だと思ってるな。
誰にでも愛想のいい、感じのいい人なんだけれど、類を見る目の底には、並ならぬ好感が横たわっている。
確かに、形状記憶の白シャツに、洗いざらしたジーパンが、類の定番スタイルではあるが。
それにしたって、髪は長いし、両耳に宝石のピアスをしている。何で間違えられるのか、不服である。
とりあえず、ニッコリを返して、店内を見る。
と、お昼時で制服のOLさん達でにぎわっている店内に、ひときわ異様なオーラを放っているオヤジを一人発見した。
師匠だ。