師匠はコスプレ☆メイ探偵
クソ暑そうなボロの服を着込み、ぼさぼさの髪をしきりにバリバリと掻き毟っている。
 
今日のは、誰だ?
 
類は怪訝に思いつつ、回れ右をして帰ろうかと思った。
 
が、オヤジに見つかってしまった。
 
ニッコリと笑いながら、手招きをしている。
 
通りかかった先ほどのウエイトレスが、

「ずっとお待ちですよ」
 
と、声をかけてきた。

「今度変な格好をしてきたら、入店拒否してください。それと、レディースセットでコーヒーお願いします。コーヒーは食事と一緒で」

言って、師匠の方に向かった。
 
やはりバリバリ頭を掻き毟っている。
 
いつもは薄いのと普通の境界線辺りにある毛量が、倍増している。

きっと、かつらなのだろう。
 
類は露骨に嫌な顔をして、師匠のいる一番奥のテーブルについて座った。
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