師匠はコスプレ☆メイ探偵
そこにはカプセル販売機から出てくるような、直系五センチほどの丸い透明カプセルがキーホルダーとして付けられていた。
 
その中に液体があり、さらに透明の立方体が沈められていた。

「ああ、コレですか。キューブ君です。あたしが開発したんです。安全で触感が楽しい工作キットとしておもちゃ会社に売りつけたんですが」

「どうかしたのか?」

「はい。ちょっとした欠陥が見つかりまして。水に入れていないと揮発しちゃうんです。おまけに揮発するとき、若干、有害物質が出たりなんかもすることが分かったもので、おもちゃとして市場に出回ったあと、あわてて回収されました。まだ、完全には回収できてないそうですが」

「大した“ちょっとした欠陥”だな」

 類はそっと携帯を引っ込めて、ポケットにしまった。

「放っておいてください」

「そんなもの開発して減給したりしないのか?」

「おかげさまで。それより、師匠のとこの自給あげてみる気はないですか?」

師匠は黙って頭をバリバリした。
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