師匠はコスプレ☆メイ探偵
「しょげてる場合じゃないですってば自給五百円ですよ」

安いんだか高いんだか分からない自給を振りかざすと、やっと師匠は口を開く気になったらしい。

「実はこの家なんだが」
 
師匠が取り出したものは、見覚えのある図面だった。

宝石の写真と一緒にクリップで留められていたあれだ。
 
類は口の中がピラフで一杯のまま、覗き込んだ。

「この家に、予告状が届いたらしい。所有している宝石を盗み出す、と。日時は予告してないが。お陰でしばらく警備を依頼された」

「何で警察に頼まないんでしょう?」

「そんなことでいちいち警察が動くか。それより、何でうちに依頼が来たのかが不思議だ」

「それよりもあたしは、他人の家の図面を師匠が持っていることのほうが不思議です」

師匠はグッと言葉に詰まった様子だ。
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