師匠はコスプレ☆メイ探偵
しばらく口を開けてマンションを見上げていたが、はっと我に帰ると、水筒の蓋を閉めて、ツカツカとその出入り口に向かった。
いつも用事があるときは類の勤める会社の近くにある喫茶店に、昼休みに呼び出されていたのだ。
が、今日はなぜか、自宅に車で迎えに来るようにいわれた。
類が師匠に弟子入りしてはや一ヶ月。
やっと、自宅を明かしてくれた訳である。
「あたしも出世したなあ」
呟きつつ、オートロックの壁に阻まれた。
ガラスに両手をつき、顔まで押し付けんばかりの勢いで中を覗き込むと、
「オレは無実だ~出してくれ~」
と、発作的に呟いた。
「ここのどなたかに御用なのですか?」
振り返ると、白ずくめの男が立っていた。
手に、赤いバラの花束を抱えている。
絵に描いたようなキザないでたちに、臭いドラマの二枚目役に出したいような、嫌味な感じに整った顔。
いつも用事があるときは類の勤める会社の近くにある喫茶店に、昼休みに呼び出されていたのだ。
が、今日はなぜか、自宅に車で迎えに来るようにいわれた。
類が師匠に弟子入りしてはや一ヶ月。
やっと、自宅を明かしてくれた訳である。
「あたしも出世したなあ」
呟きつつ、オートロックの壁に阻まれた。
ガラスに両手をつき、顔まで押し付けんばかりの勢いで中を覗き込むと、
「オレは無実だ~出してくれ~」
と、発作的に呟いた。
「ここのどなたかに御用なのですか?」
振り返ると、白ずくめの男が立っていた。
手に、赤いバラの花束を抱えている。
絵に描いたようなキザないでたちに、臭いドラマの二枚目役に出したいような、嫌味な感じに整った顔。