壊れそうな運命の恋
『松澤くん ちょっといいかな。』



マネージャーは
事務所の隅のパソコンで
仕事をしている人物に
声をかけた。



『はい。』



松澤と呼ばれた方は、
立ち上がり
黒縁のメガネを
押し上げながら
マネージャーのほうを向いた。



松澤さんは
黒髪でメガネをかけていて凛とした方だった。



年は、私より3つか4つくらい年上だろう。



まだ言葉は交わしていないけれど、
この人はとても
真面目で潔癖な人なのだろうと思った。



『今日から
ここで働いてくれる
杉本 亜季くんだ。』



『杉本 亜季です。
よろしくお願いします。』



マネージャーに紹介され、
私はお辞儀をした。



『松澤 芳樹です。』



松澤という人は、
私のほうを向き
お辞儀をした。
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