壊れそうな運命の恋
『無理 別れましょう』


私は竜二の目を真っ直ぐに見て言った。



『えっ!どうして…。』


どうしてじゃないでしょ。



『待てないから』



本当の理由を言ったら
傷つけてしまう。
だから、出来れば
言わないでおきたい。



本当はあなたのこと好きじゃない。
なんて言えない…。



『じゃあ今すぐに結婚しようよ。』







じゃあって…



『じゃあって何よ
じゃあって…。
そんな理由で
大事な結婚を決める訳??』



この人ってこんな人だったっけ?



『だって待てないんだろう?
お金はあるんだし…いいじゃん。』



プツン―



何か一本の糸が
切れる音がした。



『出てけ!
もうあんたの顔なんか
見たくない!!』



信じられなかった。
竜二がそんなこと言うなんて…。



私は近くにあった竜二の鞄を竜二に投げつけた。



『亜季ごめん…
でも俺は…。』



『さようなら』



何か言い訳を
しようとしてるみたいだけど
言い訳なんか
聞きたくない。
< 43 / 59 >

この作品をシェア

pagetop