寄道小道
「言ったろアイドルだってな


今のはアイドルじゃない愛梨本人。


同好会ができたって聞いた本人が言いに来たそうだ


アイドルやってる時の私だけを認めるならいいと


私が私としている時に


アイドルとしての私に会いに来たら容赦しないってな」


「先に言えよ」


「お前さんに言っても無駄だと思ったんだ


なんたって恋は盲目


止めても会いに行っただろうお前さんをとめなかったって責めるのはお門違いってもんさ」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「あれが本当のアイドルっていうんだろうな。偶像とはよく言ったもんだ


全くオレも災難だ。まさか惚れるとは思っても見なかった。」


「どういうこと?」


「惚れた腫れたは写真で始まるもんじゃねぇだろ?


恋に焦がれても意味はない。偶像に惚れても無駄ってことだ


人を見て、人に思いを寄せて。


初めて恋って呼べるってもんだ」


「・・・・・・・・・」


「まぁよかったじゃねぇか


今回に限って言えば、偶像相手でもきちんとした綺麗な花が咲いてるよ」


「どこが?蕾のまま枯れ落ちただろうが」


「鏡見てみな


顔の真ん中に赤い花が咲いてるよ」





お後がよろしいようで




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