「君にキスしたい、『俺とキスしない?』番外編」
いつしか涙も止まって
ただ唖然と立ち止まっているうち
声がした。
愛しい、愛しい、
ダイスキな、
私の名前を呼ぶアノヒトの声が。
必死に叫んだ。
出ない声を必死に出した。
精一杯深呼吸をして、
声を張り上げた。
「・・・・う、み・・・」
「りんご?」
「う・・・ウミト、くん・・・」
「りんご!」
ぁぁ、ハッキリ聴こえるよ、
ぁぁ、観えるよ、
・・・・ウミト、くん。
よかった。