「君にキスしたい、『俺とキスしない?』番外編」
「顔貸してくんない?」
これまた雛に負けない邪悪な笑みで
教室からウミト君を引っ張り出した。
「雨川君?うちのりんごのコトだけど」
髪を靡かせ、同じくあの笑みを
浮かべて微笑む雛に。
「どんな関係な訳?」
・・・・愁。
「俺とねー?りんごってー
超イケナイ関係なんだよねー
だからーいくら雨川財閥だろーが
渡せないってゆーかー・・・
ね、分かる?」
愁はあたしの隣から離れて
ウミト君の耳元で囁いた。
「・・・・関係?
決まってるでしょ
こ、い、び、と」
ウミト君は甘い声で愁に返した。
甘い、蜜のような笑みを浮かべながら。