王子様は寮長様
「ハァ、凄い人だなぁ…。でもご飯は美味しい」
化粧室で手を拭きながら私は呟く。
奈緒先輩は学院の理事長の孫だけど、両親はホテルを経営してるとか。
だからか、いろんな人と挨拶をしていた。
私は暇だしひたすら食べてたけど。
化粧室から出ると、会場前フロアのソファーに見たことがある人が座っていた。
あれ?あの人は……
「あの、こんばんは。」
顔をあげたその人は驚いた表情を見せる。
「公園にいたお嬢さんじゃないか。」
「やっぱり、あの時のおじいさんですよね。」
ソファーには先日公園であったおじいさんがいた
「お嬢さんもこのパーティーに出席してたのかい?」
「学校の先輩に誘われたんです。おじいさんも?」
おじいさんはニコニコと頷いた。