王子様は寮長様


「ハァ、凄い人だなぁ…。でもご飯は美味しい」



化粧室で手を拭きながら私は呟く。


奈緒先輩は学院の理事長の孫だけど、両親はホテルを経営してるとか。


だからか、いろんな人と挨拶をしていた。

私は暇だしひたすら食べてたけど。



化粧室から出ると、会場前フロアのソファーに見たことがある人が座っていた。


あれ?あの人は……



「あの、こんばんは。」



顔をあげたその人は驚いた表情を見せる。



「公園にいたお嬢さんじゃないか。」

「やっぱり、あの時のおじいさんですよね。」



ソファーには先日公園であったおじいさんがいた


「お嬢さんもこのパーティーに出席してたのかい?」

「学校の先輩に誘われたんです。おじいさんも?」



おじいさんはニコニコと頷いた。



< 112 / 217 >

この作品をシェア

pagetop