王子様は寮長様
「あの時はありがとうございました。」
「いいんだよ。元気になったようで良かった。」
スーツをビシッと着ているおじいさんはあの時と雰囲気は違うけど笑顔は同じだ。
「九条?どうかしたか」
振り向くと会場から出てきた相馬先輩がこちらに気が付き近付いて来た。
「相馬先輩。」
「九条、その人は……」
おじいさんに気が付いた先輩は驚いて足を止めた
「先輩?」
「どうした、蒼斗。こちらに来なさい。」
え?
おじいさん?今、蒼斗って言った?
「蒼斗。彼女はお前の知り合いか?」
「あ、はい。会長。」
会長……?
先輩の会社の?
ということは……
「相馬先輩のお祖父さんですか!?」
「おや、お嬢さん、知らなかったのか。」
お祖父さんはニヤリと笑った。
嘘でしょう~!?
相馬先輩のおじいちゃんだったなんて!
早く言ってよー!!