王子様は寮長様


「蒼斗。彼女を紹介してくれ。」

「………九条椎菜さんです。」

「ほぅ。九条椎菜さんかい。」

「会長?本当はご存知だったのでは?」



お祖父さんはクスッと意地悪く笑う。


なんだろう……。

お祖父さんの雰囲気が変わった。


一気に近付きにくい感じになった。

相馬先輩も心なしか緊張している…?



「あいつは知ってるのか?彼女がいること。」

「いえ……。父さんは知らないはずです。」

「そうか。なら良かった。椎菜さん。」

「あ、はい!」



お祖父さんは立ち上がり私を見る。



「帰りなさい。」

「え?」



帰れ?どういうこと?



「君を蒼斗の父親に合わせる訳にはいかない。」

「どういうことですか」

「言葉のままだ。」



意味がわからない。

何故に急に相馬先輩のお父さんに会う会わないって話しになってるの!?



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