王子様は寮長様


「会長、彼女はまだ何も知りません。」



相馬先輩は表情を険しくする。

知らないって…何を?



「…何の話しですか?」



私は恐る恐る聞いた。

お祖父さんが真っ直ぐ私を見つめる。



「……椎菜さん。私は親バカなんだ。息子が可愛かった。何も見えてなかったんだよ。」

「…おっしゃっている意味がわからないです。」

「わからなくていい。」



そう言ってお祖父さんは立ち去っていった。



なんなんだ!?


さっきまで優しく笑っていたお祖父さんが急に雰囲気を変えて接してきた


ぶっちゃけ恐かったですけど。


しかも意味深な感じだし



相馬先輩を見上げると、苦笑いのような複雑な表情をしていた。



「ごめんな、あんな人でビックリしたろ。」

「あ、まぁ…。あの…さっきの話しってどういうことですか?」



相馬先輩は目をそらした



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