王子様は寮長様
「どうするんだよ蒼斗」
「わかんね……」
屋上はまだ強い日差しが降り注いでいるが、二人はそんなことは気にしなかった。
「寮に帰ってから話をしたらどうだ?」
「聞いてくれると思うか?」
二人は始業式が終わった後、椎菜のクラスへ行った。
そしたら親友の莉子から今日は休みだと聞いたのだ。
「とりあえず、何としてでも会わないと…。」
蒼斗は唇を噛んだ。
こんなことになるなんて
椎菜を傷付けたくなかったのに…。