王子様は寮長様
先輩
「いいなぁー!」
「何がいいのよ!面倒なだけじゃんっ」
心地好い日差しの中、私は莉子と中庭でランチタイム。
そして、今のが副寮長になったと話した後の莉子の反応だった。
「私からすれば羨ましいよ~。みんなの憧れの皐月寮に入って、しかも副寮長だなんて。こりゃぁ卒業まで安泰だわ。」
「何言ってんのよ。副寮長なんかになったら、自由な感じがしない。私は役職とか無理なタイプだもん。」
ハァとため息をつく。
私は学級委員とか生徒会とか部長とか、なりたくないタイプの人間だ。
副寮長なんてプレッシャーに感じてしまう。
「大丈夫だよ。」
莉子は笑顔で肩を叩いてきた。
「何がよ?」