王子様は寮長様


「ムカつく!これだから何でも出来るヤツは!」

「俺が教えてやるよ?」

「嫌よ!蒼斗より椎菜ちゃんの方が優しく教えてくれるもんっ!」



奈緒先輩はプリプリ怒りながらも再び勉強に取り掛かる。



最近はテストを教えて欲しいということで、奈緒先輩が寮長室に入り浸っている。


でも正直、それが凄く有り難かった。


相馬先輩と二人きりでも、以前と変わらず接するようにすることは出来るが、時々胸が苦しくなる


奈緒先輩、私達の微妙な空気間を感じ取っているのかな?


そしたらそれは凄いな



などと考えていたら、ガッチャーンと大きな音が響いた。


思わず相馬先輩と目を合わせ、寮長室を出る。



< 130 / 217 >

この作品をシェア

pagetop