王子様は寮長様


すぐにガラスを手配し、また割れた現場へ行く。


そこにはさっきの一年生がガラスを片付けていた

あれ?ひとりだ。



「なんで一人で片付けているの?」

「あ、副寮長。」



可愛い顔した一年生がこちらに気が付き、会釈をした。

確か名前は…野上くんだっけ。



「もうひとりの子は?」

「あぁ、途中で帰ってもらいました。俺が投げたせいだから。」



ふぅん。ま、いいけど。


私は横にしゃがみ込み、破片を片付ける。



「あぁぁ、いいですよ!怪我しますから!」

「平気、平気。」

「駄目ですって!俺が寮長に怒られますよ。」



?なんで、相馬先輩が怒るんだ?



野上少年はチラッと私を見て、小さく呟いた。



「だって…、お二人付き合ってるんでしょう?」

「え……?」



ズキン…。


私の胸がギュッと痛くなった。

前だったらきっと赤くなって、そう見られてたことに喜んだかもしれない

でも今は胸が激しく痛む



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