王子様は寮長様
好きって…?
「椎菜先輩!おはようございます。」
「おはよう、野上くん」
寮の玄関でバッタリと野上少年と会った。
朝から爽やかだなぁ。
「椎菜先輩、一緒に行ってもいいですかぁ?」
言いながら隣で歩きだす
「同じ寮でもこうして話すことなんてあまりなかったですよね。」
「そうだね。」
確かに、いつも挨拶程度だった。
ちゃんと話すのは初めてだな。
「昨日、話すきっかけが出来て良かったです。僕ね、頑張ることにしたんです。」
「頑張る?コンクールとか?」
「それもだけど…」
野上くんは満面の笑みで振り返る。
「いろいろ…です!」
いろいろ…?
コンクールとかかな?
まぁ何にせよ頑張るのは良いことだ。
「まぁ、頑張って?」
野上くんはニッと笑った