王子様は寮長様


最近、野上くんのあのおねだりで相馬先輩と帰ることが減っている。

私がこうして相馬先輩に帰れないことを伝えにくるのももう何度目かなぁ


野上くんにはハッキリ言いたいけど、コンクール前に動揺させるのもねぇ


いろいろ考えながら歩いていると相馬先輩の教室の前にいた猛先輩が私に気が付き手を振っていた


「椎菜ちゃん!何?また蒼斗んとこ?」

「猛先輩。はい。相馬先輩いますか?」

「今席外してるんだよね~。帰りのことでしょ?伝えておくよ。」

「じゃぁお願いします」



居ないならしかたないか

「で?」と猛先輩が続ける。



「また野上少年?」



私は苦笑し頷く。



「断っちゃえば?」

「コンクール前だし…」

「そっか。…でも少年も最近かなり積極的だよな。椎菜ちゃん、気をつけろよ?」

「へ?」

「少年、気持ち抑えられなくなってきてるみたいだから。」



気持ちかぁ。

私は猛先輩の忠告にお礼を言って教室にもどった








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