王子様は寮長様
真実
相馬先輩がゆっくりと扉を開ける。
先輩の後に続き、中に入るとそこには………
「いらっしゃい」
椅子に座っていた男性が立ち上がった。
この人が………
スラッと背が高く、高そうなスーツを着こなしている。
口髭がより威厳を醸し出しているようだ。
何となく…先輩に似ているかなぁ…?
「待っていたよ。」
男性はゆっくりとした足どりで私達に近付く。
「久しぶりだね、蒼斗。それに…」
男性の瞳が私を捕らえた
その目力にドキリとする
「椎菜さん…だね。」
「…はい。初めまして」
「初めまして…か。…まぁいい。どうも。相馬隆弘です。…大きくなったね…」
その言葉にドキリとする
私の小さい頃を知ってる?
じゃぁ、やっぱり……
私達は大きなテーブルに向かい合うように座る。
タイミングを図ったように片山さんがお茶を運んできた。
「さて?何から話そうか」