王子様は寮長様
「えっ…それじゃぁ…」
私は驚いて顔を上げる。
「あぁ。蒼斗に椎菜さん、君たちは兄妹ではない。血の繋がりはない。それが聞きたかったんだろう?」
私は胸をギュッと押させた。
兄妹じゃない…。
私達、兄妹じゃないの?
「本当に兄妹ではないんですね?」
先輩は確認するようにゆっくりと話した。
相馬隆弘は表情を変えず頷いた。
「よかっ…た…」
小さく言葉が漏れる。
身体の力が抜けていった
聞き間違いじゃない…。ハァ…良かった。本当に良かった。
相馬先輩を見ると安堵の表情でホッと息を吐いていた。
先輩もそうとう緊張していたんだね。
大喜びしたい気持ちを抑え、相馬隆弘の方に目線を戻す。
しかし、相馬隆弘はテーブルの上で手を組み、そんな私達をじっと見ていた。
「血の繋がった兄妹ではない。しかし、これにはまだ続きがある…ーーーーーー……………