王子様は寮長様
「えっと…あの…はい」
コクンと頷くと、会長ら二人は顔を見合わせ、微笑んでいた。
「そうだったのか。そうか、そうか。二人がねぇ…。そうか。」
“父親”は仕切りに頷いている。
会長は顎に手を添えたまま何も言わない。
その様子に私は不安になり、先輩の服を掴んだ。
「あ、いや。二人の交際に反対はしないよ?」
「え?」
“父親”にアッサリと言われ思わず驚いてしまう。
ならなんで…?
「いや、今後を考えていたんだよ。ねぇ、会長」
「あぁ。」
今後…?
意味がわからず、先輩と顔を見合わせる。
「やはり、結納は蒼斗の大学卒業を待つか、婚約発表をしてしまうか…う~ん…どうするか…」
「どちらがいい?」
隣で紅茶を飲んでいた先輩がブッと噴き出していた。
「ゲホッ…ゴホッ…何の…話ですか!?」